メニュー

子宮頸管ポリープ

子宮頸管の粘膜が一部で増殖してできる病気です。表面は滑らかで、茎があります。子宮の入り口から見えており、触ると出血しやすいです。このポリープはほとんどが良性で、炎症が原因ですが、まれに悪性のものもあります。妊娠を経験した30代~50代の女性に多く発生する病気ですが、原因は分かっていません。ポリープ全体の約0.1%に悪性、約0.5%に異形成がみられたという報告もあります[出典1]。悪性のポリープを目で見て診断するのは難しい場合があります。また、腺癌や肉腫成分を含むポリープ状の病変も報告されています。そのため、基本的にはポリープを取り除いて組織学的な検査をすることが望ましいです。

子宮頸管ポリープの症状について

子宮頸管ポリープの症状は、個人によって異なりますが、一般的な症状には次のようなものがあります。

  • 不正出血: 最も一般的な症状の1つで、月経周期以外のタイミングで起きる出血となります。
  • 生理痛や不快感: 子宮頸管ポリープが大きい場合や位置が特定の神経を圧迫する場合、生理痛や不快感を引き起こすことがあります。
  • 性交時の出血: 子宮頸管ポリープが存在すると、性交時に軽度の出血が起こる場合があります。

上記がよくある症状ですが、実は、多くの場合には何の症状も起こしません。そのため、検診で偶発的に指摘されることも多い疾患の一つです。

子宮頸管ポリープの診断について

腟鏡診という、腟に器具をかけて腟内~子宮頚部の観察を行うことで診断ができます。

子宮頸管ポリープの原因について

子宮頸管ポリープの原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関与している可能性があります。

  • ホルモンの変化: ホルモンの変化が子宮内膜の増殖を促進し、ポリープの形成を引き起こす可能性があります。
  • 慢性の炎症: 子宮頸管の慢性的な炎症や刺激がポリープの形成に関与することがあります。
  • 遺伝的要因: 遺伝的な要因も子宮頸管ポリープのリスクを増加させる可能性があります。

子宮頸管ポリープの治療方法

治療としては原則、切除をお勧めしております。これは、切除検体の組織学的な診断が可能であるからです。大きさや形をみて、外来で切除ができるかどうか判断します。

切除するメリット

  • 切除検体の組織学的な診断が可能になります。上述したように、ポリープと思って切除したもののうち、約0.1%に悪性、約0.5%に異形成が検出された報告があります。

切除するデメリット

  • 切除時の軽度の痛み
  • 切除後に出血をすることがあります。出血量が多い場合には一時的にガーゼを挿入するなどの処置を行います。

 

ポリープが大きい場合や、ポリープの基底部が広く,切除時に出血が多くなる可能性がある場合などは,入院や,麻酔下での切除処置を考慮する必要があり、その場合には大きい病院を紹介させていただくこともあります。

ポリープの切除後にときどき、出血がみられることがあります。出血量が多い場合にはガーゼを膣内に挿入するなどして、圧迫止血をすることもあります。

アドバイス

子宮頚管ポリープは再発しやすい病気です。切除した場合は、その後も年1回は、婦人科での検診をおすすめします。

 

 

子宮頚管ポリープQ&A

Q:健康診断で子宮頚管ポリープといわれました。切除してもらえますか?

A:当院では子宮頚管ポリープ切除術を施行しております。子宮頸管ポリープは診察の結果、出血のリスクが高くないと判断した場合には、その場で切除が可能です。大きさによってはより大きい病院での治療をご提案する場合がございます。

Q:子宮頚管ポリープを切除するのに時間はどれくらいかかりますか?

A:当院で行う外来切除ですと処置自体は5分程度で終わります。

 

出典[1]:Perez-Medina T. et al. Endometrial polyps and their implication in the pregnancy rates of patients undergoing intrauterine insemination: a prospective, randomized study. Hum Reprod 2005: 20(6) 1632-5.

 

記事掲載日: 2024/4/17
文責 院長 中島文香(産婦人科専門医)

 

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME