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産婦人科の代表的な漢方薬

産婦人科領域では、月経不順、月経困難症、PMS、不妊、更年期障害、産後のケアなど、女性特有の多彩な症状に対して、漢方薬が広く用いられています。漢方は症状そのものを抑えるというより、体質や体のバランスを整えることで、根本的な体調改善を図ることを目的としています。

産婦人科の代表的な漢方薬

1. 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

【特徴】
当帰芍薬散は、血を補い(補血)、体の水分代謝を促進し(利水)、気の巡りを整える(理気)漢方薬です。虚弱体質や冷え性、むくみがある女性によく合います。

【適応体質】
冷え性、むくみやすい、胃腸が弱い、生理が不規則、貧血傾向

【主な適応症状】
月経困難症、月経不順、PMS(むくみ・倦怠感)、不妊体質の改善、更年期障害の初期症状

【副作用】
胃部不快感、軟便、下痢、まれに発疹、アレルギー反応

 

2. 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

【特徴】
桂枝茯苓丸は、瘀血(血の巡りが悪く滞っている状態)を改善し、痛みやしこり、のぼせなどの症状を和らげます。血行改善の効果が高く、月経困難症や子宮内膜症、筋腫などにもよく使われます。

【適応体質】
血色が悪い、顔色が暗い、くすみがある、冷えとのぼせが混在、生理に血塊が混じる、下腹部に圧痛や硬結感がある

【主な適応症状】
月経困難症、子宮筋腫や子宮内膜症の痛み緩和、月経不順、冷えのぼせ

【副作用】
胃部不快感、発疹、かゆみなどのアレルギー反応、肝機能異常(まれ)

 

3. 加味逍遙散(かみしょうようさん)

【特徴】
加味逍遙散は、気の巡りを整えることでストレスや情緒不安定、自律神経の乱れを改善する処方です。月経前症候群(PMS)や更年期障害に非常に多く用いられます。

【適応体質】
ストレスが多く、イライラしやすい、抑うつ傾向、不眠や不安がある、肩こりや頭痛を伴う

【主な適応症状】
PMS(イライラ、不安感、抑うつ)、月経困難症(ストレス性)、更年期障害、自律神経失調症

【副作用】
胃の不快感、食欲不振、アレルギー症状(まれ)、肝機能異常(まれ)

 

4. 温経湯(うんけいとう)

【特徴】
温経湯は、血行を促進し、体を温めながら潤いも補う処方です。冷えと乾燥が混在し、月経異常や更年期の不調がある中高年女性に適しています。

【適応体質】
冷え性、乾燥肌、唇や喉の渇き、月経が遅れがち、下腹部の冷感や痛み

【主な適応症状】
月経困難症(冷え性)、月経不順、更年期障害(乾燥、ほてり)、不妊症

【副作用】
胃腸障害(まれ)、アレルギー症状、肝機能異常(極めてまれ)

 

 

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