RSウイルスワクチン(アブリスボ®筋注用)
2024年5月31日から日本全国でRSウイルスに対する母子免疫ワクチン「
RSウイルスとは
RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)は、乳幼児の呼吸器感染症の主要な原因であるウイルスです。感染すると、以下のような症状が見られます。
- 発熱
- 咳
- 鼻水
特に生後6カ月未満の乳児では重症化しやすく、基礎疾患の有無にかかわらず注意が必要です。重症化した場合、以下のような合併症を引き起こす可能性があります。
- 細気管支炎
- 肺炎
- 低酸素症
- 無呼吸
- 急性脳症
最悪の場合、集中治療や人工呼吸管理が必要となり、命に関わることもあります。
RSウイルスの感染率と予防の必要性
RSウイルスは非常にありふれたウイルスであり、多くの乳幼児が2歳までに感染します。生後1~2カ月の時点での入院発生率がピークとなるため、生後早期からの予防策が重要です。
- 生後1歳までに50%以上
- 2歳までにほぼ100%が初感染
症状は感冒症状から、上気道症状(鼻閉、鼻水、くしゃみ)、下気道症状(咳、呼吸困難、喘鳴)まで様々です。成人にとっては風邪程度で済むことが多いですが、特に6カ月未満の乳児では重症化しやすく、肺炎や無呼吸、急性脳症などを引き起こします。年間12-14万人の2歳未満の乳幼児がRSウイルス感染症と診断され、そのうち3万人が入院を要しています。
アブリスボ®とは
アブリスボ®は、妊婦さんに接種することにより、母体のRSウイルスに対する中和抗体価を高まり、その抗体が胎盤を通して胎児に移行することで、出生時から乳児のRSウイルスを原因とする下気道疾患(気管支炎や肺炎)を予防する母子免疫ワクチンです。
対象
- 妊娠24~36週の妊婦
- 望ましい接種週数:28~36週
*接種後14日以内に出産した場合、移行抗体が十分でない可能性があり、有効性は確立していません。
接種回数
- 1回
効果
- 発症予防効果:約50%
- 重症化予防効果:約80%
- 効果持続期間:生後6カ月まで
価格
- 38,500円(税込)
接種の予約について
当院で「アブリスボ®筋注用」の接種を希望される方は、お電話にてご予約ください。。