保険適用の低用量ピル(LEP)について
低用量ピル(LEP:Low dose Estrogen-Progestin)は、月経困難症(生理痛)・経血量の多さ・PMS・子宮内膜症の治療 に用いられるお薬です。
当院では、症状・体質・ライフスタイルに合わせて、安全に続けられるピルをご提案し、副作用や不安な点も丁寧にご説明します。
🌸 低用量ピル(LEP)とは?
低用量ピルは、2種類の女性ホルモン
- エストロゲン
- プロゲステロン
を少量含む内服薬です。
ホルモンバランスを一定に保つことで、脳が「排卵しなくてよい」と判断し、排卵が抑えられます。
その結果、
- 生理痛の改善
- 月経量の減少
- 生理周期の安定
- PMS(イライラ・頭痛・気分の落ち込みなど)の緩和
- 子宮内膜症の進行抑制
といった効果が得られます。
ピルをやめるとホルモンは自然に元へ戻るため、将来の妊娠に影響はありません。
🌼 LEPの効果🌼
✔ 月経痛(生理痛)の改善
内膜が増えにくくなることで、痛みが軽減されます。
✔ 経血量の減少
ナプキン交換回数が減り、貧血の改善にもつながります。
✔ 子宮内膜症・卵巣チョコレート嚢胞の治療
内膜が増えることを抑え、進行を防ぎます。
✔ PMS(月経前症候群)の改善
情緒不安定・腹痛・頭痛などが軽くなることがあります。
✔ 生理周期の安定
生理が規則正しくなり、生活の見通しが立てやすくなります。
🚨 血栓症について
非常にまれですが、以下の症状が出た場合はすぐに受診してください。
- 片脚の腫れ・痛み
- 突然の息切れ
- 強い胸の痛み
- 激しい頭痛、めまい
- 視覚・言語の異常
喫煙・肥満・高血圧の方ではリスクが高くなります。
⚠ 副作用について
飲み始めに多い症状
- 吐き気
- 軽い頭痛
- 乳房の張り
- むくみ
- 不正出血
多くは数週間で落ち着いていきます。
💊保険適応で処方可能なピル(LEP)💊
当院では、治療目的に応じて以下のLEPを処方しています。
① フリウェルLD / フリウェルULD(ルナベルの後発品)
- 21日内服+7日休薬
- 月経痛・内膜症治療の標準薬
- フリウェルULDは副作用が出にくいが不正出血がやや増える
- 毎月消退出血がある
② ドロエチ配合錠(ヤーズ配合錠のジェネリック)
- 24日実薬+4日偽薬
- PMS・むくみに悩む方に合いやすい
- 継続しやすい価格帯
- 毎月消退出血がある
③ アリッサ
- 24日実薬+4日偽薬
- 2024年12月3日に日本で販売されるようになった比較的新しいピル
- 今までのピルと比べて女性ホルモンの成分が天然型のエステトロールとなっているため、血栓症のリスクが低いとされる
- 副作用も出にくい
- PMSが強い方にも
- 毎月消退出血がある
④ ジェミーナ
- 21日内服+7日休薬または 77日連続内服+7日休薬(3か月に1回生理)の2種類の内服方法を選択できる
- 月経回数を減らしたい方に向く
⑤ ヤーズフレックス
- 最大120日連続内服可能
- 生理回数を減らしたい・PMSが強い人に
- 費用はやや高めだが治療効果が高い
💰 1か月あたりの自己負担(3割負担の薬剤料)
| 薬剤名 | 薬価負担(3割) | 実際の窓口負担 |
|---|---|---|
| フリウェルLD | 約420円 | 600〜900円 |
| フリウェルULD | 約400円 | 600〜800円 |
| ドロエチ | 約600円 | 900〜1,200円 |
| アリッサ | 約1,300円 | 約1,500円前後 |
| ジェミーナ | 約1,750円 | 2,000〜2,400円 |
| ヤーズフレックス | 約2,350円 | 2,600〜2,900円 |
※診察料・調剤料などにより変動します。
❓ よくある質問(FAQ)
〇ピルを飲むと太りますか?
→ 太りやすくなるという科学的根拠はありません。
むくみで一時的に体重が増えることはありますが、脂肪が増えるわけではありません。
〇妊娠しにくくなりますか?
→ 内服をやめると、排卵は数週間で再開します。
将来的な妊娠率が低下することはありません。
〇何歳まで飲めますか?
→ 原則として40歳までが推奨です。
ガイドラインでは「40歳以降は慎重投与」とされており、持病や血栓症リスクを総合的に判断して処方します。
〇喫煙していても飲めますか?
→ 35歳以上で1日15本以上の喫煙がある場合は、禁忌(処方不可)です。
血栓症のリスクが高くなるため、それ以外の方も喫煙量によっては慎重に判断します。
🌟 メッセージ🌟
生理痛やPMS、経血量の多さなど、生理に伴う不調は「我慢するもの」ではありません。
治療として低用量ピルを選ぶことで、日常生活が大きく楽になる方がたくさんいらっしゃいます。
不安なこと、気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
2025年12月16日
文責:中島 文香
